ブッシュW.

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ボクだって世界を<チェンジ>したのに…
世紀のKY<クツよけ>男と、彼を生んだ名門一家の驚異の真実!

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ブッシュ 予告編

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Introduction -イントロダクション-

名門一家のダメ息子から、アメリカの最高権力者へ
「パパ、ぼくだって世界を≪チェンジ≫したのに…」

アメリカを代表する名門ブッシュ家の跡継ぎ、ジョージ・W・ブッシュ。上院議員を祖父に、そして第41代アメリカ大統領ジョージ・H・W・ブッシュを父に持つ彼は、テキサス人であることを誇りとし、<W>(テキサス訛りで「ダブヤ」)と呼ばれた。
だがWは父に与えられた仕事も満足にやり遂げられず、40歳になるまで酒とパーティに明け暮れたダメ息子。名門一家に居場所がなく、野球場のセンターフィールドが唯一の心安らげる場所だった。
そんなWがいかにして父親の巨大な影と闘い、第43代アメリカ大統領にまでなったのか? そしてWの父へのコンプレックスが、いかにしてアメリカを、世界を≪チェンジ≫したのか?
これまで描かれることのなかった彼の個人史にスポットを当てたのは、アカデミー賞®に3度輝く社会派映画の巨匠オリバー・ストーン。“世界でいちばん有名な大統領は、世界でいちばん寂しい男だった”という赤裸々な「人間W」を浮き彫りにし、さらに彼を輩出した名門一家の知られざる人間関係まで踏み込んで、余すところなく描いた問題作。

ブッシュ

“神の(K)預言(Y)”に始まり“靴(K)よけ(Y)”に終わった大統領 Mr.パーフェクト vs. Mr. KY 大統領父子の確執

 物語は2002年の大統領執務室に集った側近との「悪の枢軸」会議から「イラク開戦」までの政治の舞台裏を縦糸に、66年の名門エール大学友愛会の入会試練から、「神の預言」として大統領選出馬を決意するまでのWの精神形成に至る過去を横糸に綾なされた。
『JFK』(91)、『ニクソン』(95)と物議を醸す大統領映画を手がけ、歴史の影の部分に着目してきたオリバー・ストーン監督は、ブッシュ関連の書物を漁り、彼の言動を検証しながら、事実を積み重ねて物語を組み立て、公平さを心がけたという。ただ今回は前2作とは違い、ストーン監督は人間ブッシュにまるでフランク・キャプラ映画の主人公のようなポイントを見いだした。夢を追いながら、人生に迷い悩める男像である。
 数々の本音まるだしの人間臭いダメ男ぶりが興味深く散りばめられていくのがミソだ。ハーバード大ビジネススクールに「父のコネ」で入学したこと。「転職」続きで、自分はなにも出来ないと荒れていたこと。どうせ「大統領の息子」なんて忘れられる存在と思っていたこと。父親の重圧から「アルコール依存症」だったこと。父親の復讐もこめて「イラク戦争」に踏み切ったこと。

 映画のキーワードは、Wの影にパパ・ブッシュがいたという「父子の確執」である。パパ・ブッシュが大統領選に勝ったとき、自分の影の薄さを嘆き、「パパなんて負ければよかったのに」と愚痴るシーンなど、Wの本音もあらわになる。さらに興味深いのはWの神懸かりぶり。気弱なパパ・ブッシュを離れて、さらに偉大なる父をもとめ、神を人生に指標する。『ブッシュ』は単にWを希代のヒールとして描くのではなく、彼の心の闇に迫り、W自身の持ち味だったという「ヒューマンタッチ」をあぶりだしている。これは人間ジョージ・W・ブッシュの心の内を丸裸にした、人間標本的な傑作人物伝である。

ブッシュ

絶妙のキャストアンサンブルが再現する歴史の暗部

 ブッシュ役は『ノーカントリー』(07)『ミルク』(08)で2年連続オスカー候補になった注目の演技派ジョシュ・ブローリン。自らも大物俳優ジェームズ・ブローリンを父にもち、父子の思いが感じられるという観点からストーン監督が選んだ。パパ・ブッシュ役に『ベイブ』(95)『L.A.コンフィデンシャル』(97)のジェームズ・クロムウェル、母親バーバラ役に『アリスの恋』(74)『レクイエム・フォー・ドリーム』(00)のオスカー女優エレン・バースティン。ブッシュ政権の側近たちも演技派揃い。チェイニー副大統領役に『グッバイガール』(77)『ポセイドン』(06)のオスカー俳優リチャード・ドレファス、パウエル国務長官役に『シリアナ』(05)『007/慰めの報酬』(08)のジェフリー・ライト、ラムズフェルド国防長官役に『ライトスタッフ』(83)『ボーン・アルティメイタム』(07)のスコット・グレン、ライス報道官役に『M:I-2』(00)『クラッシュ』(04)のタンディ・ニュートンなど。実物の人物を彷彿させる俳優たちによる、イラク開戦前の秘密会議の再現は、各々の政治的思惑が交錯する。歴史の一考察を示す見せ場だ。