溝口プロジェクト秘話
メインビジュアル決定まで
このHPでもトップページで真っ先に目に入る、鮮やかなビジュアル。
「近松物語」の香川京子さんのスチルから創られたこの画は、今回の没後50年溝口プロジェクトのメインビジュアルです。
「溝口といえば『雨月物語』なのでは?」とお思いの方も多いでしょう。事実、初めに考えられた案は「雨月物語」のあの有名な写真を使ったものでした。しかし、この2006年という時代に、約半世紀前に活躍した溝口健二という監督を紹介するにあたり、まったく今まで溝口に触れる事のなかった方々に、その「モダン」さをアピールしたいと考えました。近年、「モダン」という表現は、若い世代の人たちが古いものをあらためて発見したときに使用されています。着物、古い家具など新たに作り出されたものではなく、今まであったものの良さを再発見することがいちばん「新しい」とされているのではないでしょうか。
世界でいち早く、高い評価を得てきたにも関わらず、日本人よりも海外(特にヨーロッパ)での影響力が強いとされてきた溝口を、ようやく我々日本人が再発見するときがやってきたのです。幸いにしてこのビジュアルが大々的に使われた、映画祭劇場ポスター、チラシなどは大好評いただいております。もしかしたら溝口健二と知らずにチラシを手に取られた方も多いのではないでしょうか。
溝口健二を知っていただく、作品を観ていただくきっかけとして、この画がある。
何回も何回も色々な案を出し、締め切りに追われながらも議論を重ねたプロジェクトスタッフは、恐らくその1万分の一程度だと思いますが、撮影現場で「違います そうではありません」と言われて苦しんだ溝口作品のキャスト・スタッフの方々の気持ちを想像することができました。
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